古代の森研究舎の周辺の植物と風景

 古代の森研究舎の敷地は約1,000平方メートルと広いわけではありませんが、自生植物と植栽、園芸品種を含め277種以上の植物が生えています。以下に主な植物の種類を記す。()内は、現在確認している種数です。

針葉樹 (12種):アカエゾマツ、イチイ、ウラジロモミ、カラマツ、コメツガ、チョウセンゴヨウなど

広葉樹 (58種):イタヤカエデ、ウダイカンバ、ウリノキ、カツラ、クリ、ケヤキ、コナラ、サワシバ、サンショウ、ブナ、ミズナラ、トチノキ、ヒメグルミ、マルバアオダモ、ミツバアケビなど

樹木(園芸品種:31種):シデコブシ、シャクナゲ、ソメイヨシノ、ベニシダレザクラ(三春滝桜クローン)、ツルコケモモなど

草本 (103種):オオイヌノフグリ、カタバミ、ギョウジャニンニク、シラネアオイ、スミレサイシン、ナルコユリ、ネジバナ、ツシクサ、フキ、フッキソウ、ヤマブキソウ、ワレモコウなど

草本(園芸品種:71種):アメリカスミレサイシン、イワヤツデ、カナダアネモネ、スイセン、センチピートグラス、ポレモニウム・レプタンス、メドウスイート、ユーバトリウムコエレスティウムなど

シダ植物 (2種):コゴミ、スギナ

コケ植物 (2種):ダチョウゴケ?

2017年4月22日に古代の森研究舎で咲いている植物

樹木:ソメイヨシノ(4月19日開花)、ベニシダレザクラ (4月22日開花)、シデコブシ、イタヤカエデ、ユキヤナギ (シデコブシの自生個体群は準絶滅危惧に指定されている) 

草本:フキ(自生)、スイセン、シュンラン(自生)、フッキソウ (自生)、タチツボスミレ、オオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウ など


2017年5月13日に古代の森研究舎で咲いている植物

樹木:ミズナラ、サンショウ(自生)、ハナモモ、ジュンベリー、ナナカマド、レンゲツツジ、ヤマツツジ、クレマチスなど

草本:シラネアオイ(自生)、ヤマブキソウ(自生)、エビネ、キジムシロなど


今年もまたトチノキの葉がボロボロの状態です

 2017年5月7~8日の強風で、開葉しつつあった葉が吹きちぎられてボロボロの状態になりました(写真)。毎年、5月の季節風(強風です)で何らかの影響があり、大きな葉の状態で秋に落葉することは稀です。それでも、少しずつ成長しており、樹高約8m、5本株立ちで、最も太い幹の胸高直径が19cm、根回りは160cmあります。樹高約4mの木を植栽して16年になりますので、樹齢は30年以上?かもしれません。しかし、未だ花がついたことはありません。自然分布のトチノキをみると葉の破損は少なく、風の弱い場所に生育していることがわかります。トチノキの生育は、渓畔の林内で風が弱い場所が適し、開けた風の強い場所は適しません。              ところで、縄文時代中期後半以降に遺跡周辺の低地の傍のクリ林が縮小しトチノキ林が分布を拡大しています。トチノキは、春から秋に風が強いところでは、クリ林が無くなった後の開けた場所で生育するのは難しく、クリ林の縁で徐々に分布を拡大したことが推測されます。一方で、春から秋に風の弱い場所は、水分条件が適潤で土壌層の深い安定した立地では生育できます。

2017年6月1日に古代の森研究舎で咲いている植物

樹木:チョウセンゴヨウ、コメツガ(雄花はほぼ終わり)、ハマナス、サワフタギ(自生)、カマツカ(自生)、ウリノキ(自生)、オオムラサキツツジ、ヤマツツジ、レンゲツツジ、テマリカンボクなど

草本:センダイハギ、ヤエザキハイキンポウゲ、エビネ(自生)、ミヤコワスレなど
           


2017年7月5日の古代の森研究舎と蔵王御田ノ神湿原

樹木:クリ   果実:ジュンベリー、ハナモモなど  

草本:ホタルブクロ(自生)、ユキノシタ(自生)、オカトラノオ(自生)、ドクダミ(自生)ギンパイソウ、カナダアネモネなど

 

 

 

 

 

 





 

 

 

 

 

 

御田ノ神湿原:御田ノ神湿原は、蔵王山の御釜から西南西へ約1.5km、標高約1,560mにあります。湿原には、チングルマ、ワタスゲ、ハクサンチドリ、コバイケイソウ、イワカガミなど、湿原の傍の微高地には高さ1~2mのハッコウダゴヨウ、ハクサンシャクナゲ、ウラジロヨウラク、ナナカマド、アオモリトドマツの低木などが生えています。湿原の周辺にはアオモリトドマツ、ミヤマハンノキ、ナナカマドなどが生えていますが、一部のアオモリトドマツはトウヒツヅリヒメハマキという小さな蛾の幼虫の食葉被害により枯死しています。